一冊のエキス

(番外編)「答えを前提に考える技法」とは?

2011年04月17日 経営には「悩み」がつきものです。
「悩み」は、答えが出ないので、頭の中でグルグル回り続けます。
それはストレスになり、心身ともにダメージを生み、なにより「解決」への道となりません。

「悩む」と「考える」は大きく異なる行為です。
安宅和人著「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」(英治出版、2010年)では、
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「悩む」=「答えが出ない」という前提に立って同じ場所に立ち続ける行為
「考える」=「答えが出る」という前提に立ってゴールへ向かって進む行為
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といった趣旨のことを述べています。

であるなら、「悩み」の悪循環を断ち切って、「考えて、答えを得る」ことができるスキルがあれば、事態を一変させることができます。


STEP 1 初動
最初のエッセンスは、こうです。
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01 宣言 まず、「答えを出す」と自分に宣言する。
02 行動 具体的に時間を使い、「行動」する。
03 発見 最初の悩んでいる状態では知らなかった事実を知る。
     =大きく一歩前進
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「悩み」に陥っているときは、驚くほど「行動」できません。手足はフリーズして、脳内で同じところを回り続けます。
だから、いまは答えがなくても、「きっと答えが見つかる」と宣言して、勇気を持って一歩を踏み出す。
当たり前のようですが、多くの場合、この「初動」に気づかないものです。


STEP 2 あいまい→具体化
次。「イシュー(=解決する必要がある問題)」を具体的にする。
最初にまずバタバタッと動いたことで、問題解決に向けて、なんとなく希望が出てきました。
ここで、そもそもの「悩み」は「何が実現すれば解決するのか?」をはっきりさせます。

・何を解決したらいいのか?
・どういう状態になればいいのか?

を明快に「言語化」します。

日本語は奇妙な言語で、「あいまい」を大きく受け入れることができる言語です。
極端な場合、いっさい何を言いたいのかわからない文章を、文章として完結させることもできてしまいます。

生産性が低い人(仕事ができない人)の「共通項」は、「物事をあいまいなままにして仕事をしてしまう」行動パターンです。
これを徹底して排除する。すると、一気に前進のエンジンがかかります。


STEP 3 オートパイロット・システム
イシューが具体的であると、その解決へ向けての行動のクォリティは爆発的に高まります。
例えば、目標にロックオンされたミサイルが自動的に目標を追いかけるように、イシューへ向けて、自身の行動は「ムダのない動き」でそこへ向かいます。

やってみる→反応がある→やり方を変えてみる→反応がある→またやってみる
いわゆる「トライ・アンド・エラー」です。
そして、問題解決への道ができる。そうしているうちに、「悩み」はクリアされるわけです。


整理します。
1 悩みがあると気づいたら、まず、頭を切り換えて、「解決策はあるもんだ」と信じて動いてみる。
2 解決すべき問題を「具体化」する。
3 目標に向かって動く。

案ずるより産むが易し。
「悩み」が自覚できたら、動いてみよう。
シンプルでパワフルな行動術です。


※安宅和人著「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」(英治出版、2010年)は、論文・報告書・プレゼン資料の作成教本としては基本線を押さえているという意味でそれなりに価値がありますが、「問題解決スキル」を期待して読むと、混乱を生む恐れがありますので、念のため補足します。


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